2012年05月16日

経験が遺伝子を変化させる?

経験が遺伝子を変化させる?

 標準的な理論(進化論)によると、遺伝子は交配しなければ変化しないことになっています。

しかし今日では、生活環境や加齢によって遺伝子の働きが変化することが分かってきました。

この様な、生まれた後に起きる遺伝子の働きの変化を「エピジェネティクス」といい、分子生物学における新たな研究対象として注目されています。

(最近発表された二つの研究)
 虐待を経験した人の遺伝物質に変化が生じたという証拠が発見されました。虐待やストレスにより、遺伝子のテロメアが短くなったり(寿命が短くなる)、メチル化(遺伝子が使えなくなる)が生じたのです。

またこれとは逆に、体に良い食生活や、適度な運動を行うなどにより生活スタイルを大幅に変えることで、体の変化だけでなく、遺伝子レベルでの大きな変化(病気を防ぐ遺伝子の活動が活性化するなど)が即座に引き起こされるという研究結果も発表されました。

【補足説明】
テロメア
 染色体の末端にある染色体を保護する構造物。テロメアは、細胞が分裂するたびに短くなっていく。人間の”線維芽細胞”を培養すると、およそ50回の分裂で増殖が止まる。

テロメアが短くなり過ぎて染色体を保護できなくなり、細胞が死ぬからだと考えられる。無限に分裂を繰り返す「がん細胞」や「生殖細胞」などには”テロメラーゼ”という酵素があり、テロメアの短縮を防いでいる。

線維芽細胞(せんいがさいぼう)
線維芽細胞は、真皮成分(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸)を生産し、コラーゲンを束ねて真皮を構成する細胞です。
posted by ケンゾウ at 13:05 | Comment(0) | 科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月21日

心臓に関する二つの話

心臓に関する二つの話

心臓移植、対象5歳引き上げ64歳まで…厚労省
 「日本循環器学会」は、心臓移植を受ける患者の年齢上限を、現在よりも5歳引き上げて65歳未満とする提案を行い、厚生労働省が検討を始めました。

同学会などの「合同委員会」が1997年に決めた「60歳未満が望ましい」という基準によって、60歳を超えて発病した人が心臓移植を望んでも、待機リストに登録されるのは困難でした。

数が少ない移植用心臓を、社会復帰が望める勤労世代に回すための措置でしたが、社会の高齢化や65歳まで雇用継続の動きなどを踏まえて提言が行われました。

日本の様な一律の年齢制限は国際的には例がなく、欧米では心臓移植が始まった80年代には60歳以上の移植患者は約10%でしたが、手術技術の進歩などで現在は約25%に上昇。

アメリカでは約30%が60歳以上で、今年3月にはチェイニー前副大統領が71歳で心臓移植手術を受けています。

世界最小150gの人工心臓
 大阪府吹田市の「国立循環器病研究センター」などのグループが、重症心不全患者が恒久的に使うことができる補助人工心臓の開発に成功しました。

人工心臓のポンプの大きさは直径3センチ、長さ7.5センチ、重さ150グラムの円筒形です。

血栓(血の塊)を作りにくいとされる、血液を送り出すスクリューをポンプ内に浮かせる「非接触型」です。恒久使用を目的に開発されたポンプでは世界最小で、2年後の臨床試験を目指しています。

人工心臓の大部分は移植までのつなぎ役ですが、恒久使用が実現すれば移植を諦めていた患者に希望を与えると考えられます。
posted by ケンゾウ at 17:13 | Comment(0) | 科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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