オニヒトデは猛毒を持ちサンゴを食害するヒトデで、太平洋やインド洋のサンゴ礁域に広く生息しています。強い繁殖力で数年おきに大発生を繰り返し、サンゴに大きな打撃を与えます。
主に陸上に引き揚げて、天日干しにする方法で駆除していますが、運搬中に猛毒を持つ針で刺される危険があります。
今年4月には沖縄県で、オニヒトデを駆除しようとした女性ダイバーが手を刺され、アナフィラキシーショック(アレルギー症状の一種で呼吸困難などを引き起こす)を起こして死亡する事故も起きています。
そこで、新しい駆除方として考案されたのが酢酸注射です。動物用注射器で15%酢酸液を数回注入すると、オニヒトデの体組織は壊死(えし)し、注射後2週間もすると針と骨だけになるそうです。
【補足説明】
オニヒトデ (,鬼海星、鬼人手):オニヒトデ科の動物、輻長約15cmで多数の腕を持ち、全身が棘に覆われた大型のヒトデ。サンゴを食料としている。天敵はホラ貝。
酢酸(化学式 CH3COOH):刺激臭と酸味とをもつ無色の液体。酢の中に約3パーセント含まれ、その酸味の主成分をなす。酒類の酢酸発酵によって生じるほか、エチレンからアセトアルデヒドを経て工業的につくられる。生体の代謝の重要物質。染色や食品調味料として使われるほか、医薬品や、酢酸ビニル・酢酸セルロースなど化学工業において多様な用途がある。

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